秋の間お世話になった稲架を片付けた。

 

今年の稲架はとても頑丈だった。ここいらは秋から冬にかけて風が強く、稲架が倒れたという話は良く聞く。昨年の私の稲架も、稲の間は良かったけど、大豆が掛かっている間に倒れてしまった。面で風を受けるのだから、相当な力がかかる。今年稲架を建てるにあたって、近所で毎年稲架を建てているおっちゃんに、助言を仰いだ。

要は、腕が肩まで入るくらい深く穴を掘ることと、稲架木を入れたら隙間に砂を入れて突き固めること。極端な話これだけで、つっかえ棒なしでも倒れんわ。

ふーむ。つっかえ棒の咬まし方か、横竿の結び方が重要なのかと思っていたが、予想外の助言だった。しかしこれで完璧。びっしりと大豆を掛けてあっても、強風にびくともしなかった。ありがとうございます。

引っこ抜き方

さて、そんだけ頑丈だと、引っこ抜くのが大変。ということを知らないまま仕舞いに行って、まあ大変。ほんとにビクともしない。たいがい抜けない杭でも揺すって揺すってやってれば抜けるもんだけど、これは違った。渾身の力で引っこ抜こうにも、冗談じゃなく1cmも浮き上がってこない。思わず笑ってしまうほど。

そこで役立ったのが、実家の父ちゃんのロープワークの本を読んだ記憶。「長尺ものを引っ張る結び方」というのがあったな! うろ覚えだったけど、読んどいて良かったー。節があるって言ったって、稲架木は丸い棒だから、手掛かりがなくて力が入んない。根元に巻き結びをして、少し離らかしてひと結びをする。ロープ1本あれば、これで大丈夫。よいしょ!

あーしかし、これでやっと5cm持ち上がっただけ。さらにもうひとつ学んだのが、ちょっとずつやるってこと。揺すっては5cm持ち上げ、また揺すっては5cm持ち上げる。気長にやるしかない。一気に持ち上げようと体全体で稲架木に絡みつき、体よ折れよとばかりに力を掛けていると、折れた、肋骨が。

いやー、肋骨の折れる音って、ほんと軽妙だよねー。「ポキン。」折れたから、もうそんな体よ折れよというような踏ん張り方はできなくなり、それが功を奏して、ちょっとずつやるってことに行き着いた。肋骨一本を代償にしたが、いい勉強をさせて貰ったぜ ( ̄ー ̄;

さーしかし、今までの学びをもってしても抜けない稲架木が一本。根元付近が腐り始めてて、揺すっても地面の穴がうまく拡がらない。えーい、もう放っておくかとも思ったが、毎年同じ場所で稲架を建てるのに、邪魔な一本を残して置く訳にはいかない。ここで思い出したのが、近所のおっちゃんが抜けない杭を抜くのに、ロープと丸太を使ってテコを作っていた光景。あのときロープの結び方まで見なかったことを後悔したんだったが、稲架木を引っ張ってるこのロープの結び方と似てる気がした。なんだ、これに丸太を結べばいいんだわ。やった!抜けた!

最後は稲架木を抜いた穴に、稲藁の束を差し込んで、穴がふさがらないようにしてお終い。これも近所の爺ちゃんがやってたのを見て覚えた。

ということで、晴れ間になんとか片付け終わった。祝杯だー! ありがとうございます。

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