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自然農ガットポンポコ

2019年01月26日 カテゴリ:作る

ペチカの設計図を書いた

昨冬ペチカをつくろうと思って、勉強した。ペチカの資料、日本語ではあまり見つからないが、ロシア語のものなら沢山ある。翻訳ソフトをあれこれ試して、なんとかロシア語を読み解くうちに、ПТОУ-2500という設計が我が家にちょうど良いと思った。大きさもいいし、実際に作った記録や、作り方解説もネット上で見つかる。なにより煉瓦積みや作りが単純だ。これでいこうと思っていた。

そこへ、梅茶翁から、光風林の筒井さんを講師にしたペチカWSへのお誘い。どっぷり参加させてもらった。ペチカ作りを体験したり、意見交換できる機会なんていままでなかったから、とてもありがたかった。沢山勉強させてもらって、ワークショップに刺激を受けて、我が家のペチカ設計を見直そうという気になった。

一緒にワークショップに行った嫁も、ペチカの実物や写真・資料を沢山見て、自分の欲しい機能を具体的に捉えることができた。

嫁のペチカ機能要件

  1. 燃焼室内をオーブンとして使える
  2. ペチカをパンのホイロとして使える
  3. パン釜の排熱を蓄熱利用する
  4. 蓄熱ベンチに寝そべりたい

この要件をもとに設計図を書くことにした。まずは要件定義する。

1.燃焼室内をオーブンとして使える

燃える薪が、炎を出し終わり、熾炭となった時点で、燃焼室の中に鍋や鉄板を入れて、オーブンとして使うというのは、普通の薪ストーブでもやっている人がいる。パンを焼く石釜と同じ原理。

これをやるには、ПТОУ-2500の焚き口では狭い。もっと広い焚き口が必要。

2.ペチカをパンのホイロとして使える

ホイロというのは、パンを醗酵させる際の保温機のこと。ペチカをはじめとしたメイソンリーストーブ(蓄熱炉)は一定温度でゆっくりと放熱できるので、保温機に向いている。しかし、ПТОУ-2500のような縦型ではパン生地を置く場所が限られているので、ペチカの上や壁面に平たい場所を増やす必要がある。

3.パン釜の排熱を蓄熱利用する

パンを焼くときの熱量は大きい。冬の間は、これを捨てるのはもったいないというのは分かっていた。メンテナンスや修理を考えると、できるだけ単純な作りがいいので、ためらっていたけど、いい機会なので、パン釜とペチカを接続する設計に挑戦。

4.蓄熱ベンチで足を伸ばして、もたれ掛かって編み物をしたい

蓄熱ベンチは却下。ベンチ式ロケットストーブで、大き過ぎるストーブに室内空間を占拠されるのに懲りた。

ペチカに背をもたせかけて、暖まった床に足を伸ばすのは気持ちがいいという説明で、蓄熱ベンチはいらないということに納得してもらった。

ペチカの暖房能力を計算する

ところで、ペチカってどのくらいの大きさなら、部屋が暖まるんだろうか。

逃げる熱量と同じだけの熱量を補充してあげれば部屋は暖かくいられるのです。

部屋から逃げる熱量 Wh =

Q値(熱損失係数) × 床面積(吹抜等も加算する) × 最大温度差(通常室温20℃、外気温0℃の20℃の温度差で計算)

暖房(冷房)器具の**畳用の根拠:Q値はどう使う? – 「結露しない家」ゼロエネ健康住宅

次世代省エネルギー基準(平成11基準)

熱損失係数(Q) 石川県:地域区分(3) = 2.4 (W/m2K)

熱損失係数(Q値)| コーナー札幌

我が家で暖めようとしている床面積は、27 m2なので、部屋から逃げる熱量 Wh は、

2.4 Q × 27 m2 × 20 ℃ = 1296 Wh

ПТОУ-2500の暖房能力は、

薪を充填して焚くことを、1日に1回行うと: 1700 Wh。2回行った場合: 2500 Wh

おお、これでいけるみたい。

設計方法 CAD か 鉛筆 か

昨冬2D-CAD(LibreCAD)でカマドの設計をしたら、ひと冬かかった。今回の講師の筒井さんが方眼紙と鉛筆で設計をされているのを見て、帰ってから試したら、あっというまに図面が3つできてしまった。私にも方眼紙と鉛筆が合ってたみたい。

2D-CADを選んだ理由は、コピペができるから。つまり煉瓦を1つ1つ描かなくてよくていいと思ったんだけど、割と1つ1つ描いてしまった (;゚д ...。使うCADソフトにもよるのかもしれない。

あと、目地の表現をどうするか。CADだとミリ単位で描けるので、正確なんだが、頑張って設計したのに、いざ煉瓦を積み始めると煉瓦は1個ごとに大きさが違うので、わーいみたいなことに。目地共で110mmとか決め打ちで設計して、細部は現場合わせという方が、結局よいみたいだ。

設計図

ПТОУ-2500 が十分な暖房能力を持っているようなので、これを元に設計した。

設計図No.1

ホイロとして使うために、できるだけ高さを抑えて、ペチカの上にパン生地を並べられるようにした。でも25段 1750mm ある。高くて嫁の手、届かない。

オーブンとして使いやすいように燃焼室を広くしたが、そのために、ПТОУ-2500 の利点である煉瓦の積みやさが失われてしまった。

ロシアのペチカ図面では、耐火煉瓦と赤煉瓦が同じサイズだということに気づいた。そりゃあ設計も施工も楽だなあー。ということで、結局、ПТОУ-2500の図面は日本向けに改良しないと使えないということが、始めて分かった。

設計図No.2

No.1ではパン釜からの排熱をうまく引けないような気がして、煙道を最初に立ち上げることにした。

ホイロ面の高さは、17段 1190mm。かなり低くなった。

この図面はよさそうだったんだが、ホイロに使える面積が足りないことが、あとで判明した。

設計図No.3 いまのところの最終型

パン釜を接続しないことにした。パン釜の排熱は、ペチカを通さなくても、建物内部の蓄熱体を通せば要件を満たせることに気づいた。排熱の夏場の経路は、室外の煙突を通す。パン釜と切り離せば、ペチカを本来置きたかった場所に置ける。

ホイロ面の高さ、18段 1260mm。

ПТОУ-2500 No.3
煉瓦(個) 420 420
放熱面積(cm2) 27440 24500

今年の夏に施工予定。

参考

  • Печное отопление малоэтажных зданий 低層建築の暖房炉 Школьник А.Е. 1986
    ПТОУ-2500は、「低層建築の暖房炉 Школьник А.Е. 1986」という、大学の教科書として出版された本で、世に紹介されたペチカのようだ。日本では手に入らなそうな本だけど、remontでオンライン公開されていて、ロシア語だけどなんとなく分かる。他のロシア式ペチカの図面も沢山見られて勉強になる。

  • Печь кирпичная
    ПТОУ-2500を作った人の解説記事

  • Схемы печей из кирпича отопительных
    ПТОУ-2500の作り方解説

  • ペチカ | wikipedia

    ペチカは煙道が非常に長いため、炊き口で燃料を燃やしても火付きが悪いのでまずは煙突直下で少量の燃料を燃やし上昇気流を作り出し通風を確保することが必要である。ペチカに使用する燃料は薪や石炭であるが、なるべく短時間に高温で燃やすことが求められるため通気は煙突ダンパー、空気調整口共に全開で燃やす。薪は温度を高くするために小割りにしたものが望ましく、燃料は暖炉や薪ストーブのように徐々に足して燃やさずに焚き口に入る量の燃料すべてを一度に燃やすのが肝心である。

  • Кладка печей своими руками 自分の手で石積みストーブ

    これも、remontでオンライン公開されている、ロシア語の文献。暖房に必要な熱量の計算や、ペチカの暖房能力など。

 
 

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