ペチカ全体図

ペチカ完成

構想と設計に2年。積み始めたら1ヶ月。レンガ積みに掛かった時間は1人で約56時間。総工費約10万円。

7月に煉瓦積みをしたペチカへ、ついに煙突をつけた。

外壁の雑巾摺りを3回ぐらいすると、余分な目地材が取れて綺麗な化粧目地になる。赤煉瓦は中古なので、コンクリモルタルが残ってて綺麗にならない。そのうちグラインダーで削ろう。

写真でペチカの下に基礎コンクリートが見えるけど、あとで床をこの基礎と同じ高さまで上げる。ペチカは、身長150cmの人が上に鍋を置ける高さに抑えてある。背の低いペチカって割と貴重なんではないかと思う。

おさらい ~ ペチカNo.6の仕組み ~

ペチカNo.6のイメージ図

高温の気体は軽いので上部へ移動し、煉瓦と熱交換をして冷えた気体は重いので下部へ移動する。内部温度の上昇と同時に過圧が生じ、最下部の低温の気体だけが下部の出口から押し出される。

この仕組みを詳しく知りたい方は

前回の記事 をどうぞ。

施行の要点など

前回の続きから。

9~10段目

仕切り壁の煉瓦と煉瓦の間に隙間がチラッと見える。前回の記事で書いたように、この内壁でしきられた狭い空間のおかげで燃焼温度が上がり、適度な隙間のおかげで低温の気体と高温の気体が、重力に従った自然な動きをする。

扉は鉄筋で補強をした薄い鉄板。薄い鉄板は熱を加えると暴れる。歪んで周りの煉瓦を壊してしまうことがないように、周りの煉瓦との隙間を5mmほど空けて、不燃布を挟んでおく。

粘土を裏漉し

目地用の粘土は細かくしないと、薄い目地を作れない。なので粘土を水で溶いたものをフルイで裏漉しして、大きい粒子を取り除く。水で溶いた土を1.5mm目のフルイにあけて、写真のような道具で押し付けて、通ったものだけ使う。コテや木べらでも押してみたが、この道具が早くて楽で金網も痛まない。

16段目

天井がついたところ。天井をアーチ構造にしようか迷ったけど、高さを抑えたいので、耐火煉瓦の長二丁掛けを使った。この上に蓄熱用の赤煉瓦が3段乗る。

ダンパーと掃除口

厚さ10mmの鉄板を空目地に差し込んで、ダンパーにする。12mmの合板を型にして煉瓦を積み、目地が固まったら合板を焼き切って、ダンパーを差し込む空の目地を作る。ダンパーの開け閉めに耐えられるように、ここだけ目地をセメントモルタルで作った。セメントは高熱に弱いけれど、ベルの下部は低温の気体が主なので、問題ないと思う。

掃除口の幅は、珪藻土煉瓦がピッタリはまるように114mmにした。これで掃除口の金物やレンガを別途作らなくてよい。

煙突

木酢液の逆流が怖いので、煙突は室内だけ念のため2重にした。今回購入した煙突φ150mmを、たまたま家にあったφ200mmの中に入れた自家製2重煙突。2重煙突の帽子部分は、横煙突を挟むように上と下を作ってカポッとはめて、ステンレス皿で蓋をした。写真で分かるかな。

ペチカとは

ペチカ(печка)とは、ロシアで広まった煉瓦で出来た蓄熱式の薪ストーブ。フィンランドのソープストーン・ストーブ、スエーデンのCronstedt Wrede kakelugn、ロシアのペチカ、アメリカのメイスンリー・ヒーターはどれも蓄熱式の薪ストーブ。

蓄熱式ってどういうことか説明するために、日本で薪ストーブといえば想像するだろう金属で出来たストーブの仕組みをおさらいしよう。

金属のストーブは蓄熱しない。分厚い金属板なら、ある程度は蓄熱するけど、蓄熱式ストーブと比べると、蓄熱しない。だから薪が燃えてる間は暖かいけど、火が消えると冷える。高級な金属ストーブには、2次燃焼の仕組みがあって。太い薪をゆっくり燃やすことができるので、ある程度長い時間暖かい。でもやっぱり、火が消えると冷える。

ペチカなどの蓄熱式ストーブは、薪を短時間に高温で燃やして、石や煉瓦に蓄熱させ、火が消えた後じわじわと放熱する方式。1日に1回か2回、例えば朝起きたら1回と夕方1回火を焚けば、あとは1日中放っといても部屋を暖かくしておける。そのかわり長期留守の後など、完全に冷えてる状態からだと、煉瓦がちゃんと暖まるまで2~3日かかる。

設計にもよるが、燃料を燃やして得られた熱量のうち90%以上を暖房として用いる事が出来るので、様々な暖房装置と比較しても極めて熱効率が良い。

私がペチカに惹かれたのは、古くからDIYされてきた歴史があって、自分で作りメンテナンスする方法がとても詳しく公開されている点。さらに、すごい種類の設計があって、どんな家にはどんな設計が向いているとか、これも、とっても詳しい情報が公開されている点。ロシア語分かんないけど、コンピューターが翻訳してくれる時代で、ほんと助かった。

参考

ペチカに使用する燃料は薪や石炭であるが、なるべく短時間に高温で燃やすことが求められるため通気は煙突ダンパー、空気調整口共に全開で燃やす。薪は温度を高くするために小割りにしたものが望ましく、燃料は暖炉や薪ストーブのように徐々に足して燃やさずに焚き口に入る量の燃料すべてを一度に燃やすのが肝心である。

燃料から明るい炎が見えなくなったら煙突ダンパー、空気調整口共に半ば閉じ、熾が暗赤色になったら煙突ダンパー、空気調整口共に完全に閉鎖し、ペチカに蓄熱された熱を閉じ込める。

  • 熱変形の係数が異なるため、耐火レンガ炉は外側の赤レンガの箱を壊す可能性があり、相互の隣接点で膨張避けの余白が必要。
  • 経験豊富なストーブメーカーは、積む前にレンガを浸水しない。
  • 窯の焼成はチップから始まり、数時間かけて少量ずつ燃料を加える。

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