ペチカ全体図

ペチカ完成

構想と設計に2年。積み始めたら1ヶ月。レンガ積みに掛かった実時間は1人の8時間労働で1週間程度。

7月に煉瓦積みをしたペチカへ、ついに煙突をつけた。

外壁の雑巾摺りを3回ぐらいして、ちょっと綺麗になった。赤煉瓦は中古なので、モルタルが残ってて綺麗にならない。そのうちグラインダーで削ろう。

床はあとで、ペチカの基礎コンクリートと同じ高さにする。ペチカは、身長150cmの人が上に鍋を置ける高さに抑えてある。

おさらい ~ ベル型ペチカ ~

ペチカNo.6のイメージ図

完全燃焼して高温になったガスは軽いのでベルの上部へ移動し、低温の不完全燃焼ガスや燃焼に貢献しなかった空気は重いのでベルの下部へ移動する。ベル内では温度上昇と同時に過圧が生じ、最下部の最も低温の空気やガスが底部の出口から押し出される。

というのが、ベル型ペチカの理想的なイメージ。

施行の要点など

前回の記事の続きから。

9~10段目

扉は鉄筋で補強をした薄い鉄板。暴れるので、煉瓦との隙間を5mmほど空けて、不燃布を挟んだ。

内壁の煉瓦と煉瓦の間に隙間がチラッと見える。前回の記事で書いたように、内壁が燃焼温度を上げ、隙間が低温ガスと高温ガスの自由な動きを作り出す。

粘土を裏漉し

目地用の粘土は細かくしないといけない。粘土を水で溶いたものをフルイで裏漉しして、粘土より大きい粒子を除く。水で溶いた土を1.5mm目のフルイにあけて、写真のような道具で押し付ける。コテや木べらでも押してみたが、この道具が早くて楽だった。

16段目

ベルに天井がついたところ。アーチにしようか迷ったけど、高さを抑えたいので、耐火煉瓦の長二丁掛けを使った。この上に蓄熱用の赤煉瓦が3段乗る。

ダンパーと掃除口

ダンパーは厚さ10mmの鉄板。ダンパーを差し込む隙間は、12mmの合板を型にして、あとから焼き切った。ダンパーの開け閉めに耐えられるように、ここだけ目地をセメントモルタルで作った。

掃除口の幅は、珪藻土煉瓦がピッタリはまるように114mmにした。これで掃除口の金物やレンガを別途作らなくてよい。

煙突

煙突は室内だけ念のため2重に。今回購入した煙突φ150mmを、もともとあったφ200mmの中に入れた。2重煙突の帽子部分は、横煙突を挟むように上と下を作ってカポッとはめて、ステンレス皿で蓋をした。

ペチカとは

ペチカ(печка)とは、ロシアで広まった煉瓦で出来た蓄熱式の薪ストーブ。フィンランドのソープストーン・ストーブ、スエーデンのCronstedt Wrede kakelugn、ロシアのペチカ、アメリカのメイスンリー・ヒーターはどれも蓄熱式ストーブ(Masonry heater)。アメリカではダブルスキンのストーブを指してメイスンリー・ヒーターと呼ぶ場合があるらしいけど、広い意味での蓄熱式ストーブ(Masonry heater)ね。

蓄熱式ってどういうことか説明するには、日本で薪ストーブといえば想像するだろう鉄で出来たストーブの仕組みを説明しないといけない。

鉄ストーブは蓄熱しない。分厚い鉄板なら、ある程度は蓄熱するけど、蓄熱式ストーブと比べると、しない。だから薪が燃えてる間は暖かいけど、火が消えると冷える。一気に暖まって一気に冷える。でも高級な鉄ストーブには、2次燃焼の仕組みがあって。太い薪をゆっくり燃やすことができるので、ある程度長い時間暖かい。でもやっぱり、火が消えると冷える。

ペチカなどの蓄熱式ストーブは、細く割った薪を一気に高温で燃やして、石や煉瓦に蓄熱させ、火が消えた後じわじわと放熱する方式。1日に1回か2回、例えば朝起きたら1回と夕方1回火を焚けば、あとは1日中放っといても部屋を暖かくしておける。そのかわり長期留守の後など、完全に冷えてる状態からだと、煉瓦がちゃんと暖まるまで2~3日かかる。

私がペチカに惹かれたのは、古くからDIYされてきた歴史があって、自分で作りメンテナンスする方法がとても詳しく公開されている点。さらに、すごい種類の設計があって、どんな家にはどんな設計が向いているとか、これも、とっても詳しい情報が公開されている点。ロシア語分かんないけど、コンピューターが翻訳してくれる時代で、ほんと助かった。

参考

ペチカに使用する燃料は薪や石炭であるが、なるべく短時間に高温で燃やすことが求められるため通気は煙突ダンパー、空気調整口共に全開で燃やす。薪は温度を高くするために小割りにしたものが望ましく、燃料は暖炉や薪ストーブのように徐々に足して燃やさずに焚き口に入る量の燃料すべてを一度に燃やすのが肝心である。

燃料から明るい炎が見えなくなったら煙突ダンパー、空気調整口共に半ば閉じ、熾が暗赤色になったら煙突ダンパー、空気調整口共に完全に閉鎖し、ペチカに蓄熱された熱を閉じ込める。

レンガなどで造った壁面の輻射熱で部屋を暖める。設計にもよるが、燃料を燃やして得られた熱量のうち90%以上を暖房として用いる事が出来るため様々な暖房を比較しても極めて効率の良い暖房であり、暖房必要期間が長い北国に於いて重宝される。暖房としての立ち上がりが遅いのが欠点だが、一度暖まるとペチカ特有の心地よさがある。

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