穀物は収穫したあとの作業が結構ある。ハザに吊るすなどして乾燥追熟。殻から実を取り出す脱穀。手箕や唐箕で、実とその他を分別する作業。その他に、良い豆不良豆の選別、籾と玄米を分離する籾摺り、ヌカを削る精米、麦の粒を粉にする製粉など。
自然農ガットポンポコは、化石燃料や大型機械をなるべく使わないようにしているので、手足で動かす道具が大活躍する。
その作業を、大豆を例に説明してみようと思う。
大豆が枝になっている様を見たことないって聞くことがある。こんなです。
脱穀とは?
殻から実を取り出すこと
大豆は味噌用に需要があって、沢山育てている。大量の穀物を脱穀する際には足踏み脱穀機が便利。奥のが近所のお爺ちゃんからいただいたもの。刃がなくなって代わりにビスを打ち込んで使っていた。そのあと、手前のが里山マイスターの先輩からいただいたもの。現役だけど重いので、納屋に据え置きで使用。
木の足踏み脱穀機があまりに重くて、田んぼに持っていくのが辛いので、金属の薄板で作られたものを購入した。割と軽い。持ちやすい。小さいのでお一人様用。覆いが標準装備されてる。大豆以上の大きさの穀物は脱穀しないでくださいと書いてあるけど、そぉっと使ってる。
乾燥の充分な大豆は脱穀と同時に殻が爆ぜる。稲のように籾摺りをしなくていいので助かる。ここまでで、爆ぜた殻と実と爆ぜなかった殻付き実とその他がごっちゃになった状態。これを唐箕や手箕に掛ける。
選別とは?
実と、殻や茎などを分別し、また欠点のある実を避けること
風選
唐箕は重さと風抵抗を利用した選別機。風抵抗に逆らえるだけの重さをもったもの、つまり実および殻付きの実が下に落ちて、風に舞う軽いもの、つまり殻や葉っぱや軽い茎は吹き飛ばされる仕組み。
コンバインとかハーベスターと呼ばれる大型機械も仕組みは同じで、足踏み脱穀機のようなドラムが内蔵され、唐箕と同じように扇風機を使って分別している。
金属製の唐箕は、どうしても思い出せないけど誰かにいただいた。
これは近所の方から譲り受けたもの。歴史博物館にあるような大型のものではなくて、金属製のよりさらに小さい、ギアが仕込んであるので回す手が軽い、ホッパーを取り外して本体をひっくり返して掃除してしまえる優れもの。
稲の唐箕掛けはこちらの方が具合がいいので、まだまだ現役。
唐箕の原理について書いた昔の記事
トオシ(ふるい)選別
トウシに通して、実と、爆ぜなかった殻付きを分ける。トウシって方言かな、篩い(ふるい)のこと。
大豆選別機械を作る
ホームセンターにある材料だけで、大豆の選別機を作れる。簡単な作りなので、工作に慣れた人なら、動画を見れば作れると思う。手選別で2ヶ月も掛けていた作業が、1日で終わる。
農家のお婆ちゃんは、お盆の上で大豆を転がして選別する。転がるのは良い豆、転がらないのは不良豆。大豆は黴や、生育不良や、虫食いなどがあると真ん丸ではなくなって転がり抵抗が増すことを利用した農家の知恵。
動画の大豆選別機も同じ原理を利用している。回転する農ポリフィルムの上に落ちた大豆は、丸い豆(良い豆)が下に転がり落ち、転がらない豆(不良豆)が上に引っ張られていく。ついでに、爆ぜなかった殻付き大豆やゴミも上に。下側と上側それぞれを箱に受ける。味噌などの加工用なら、この機械選別だけで終わる。姿かたちが重要な煮豆などは、もう少し手選別もする。
量が少ない場合の脱穀
赤大豆や、あお大豆は、お餅用に少しだけ作ってる。
量の少ない大豆は、箱の中に叩きつけて脱穀する。足踏み脱穀機でやると殻が爆ぜないものが結構あって、もう一度よく乾かしてから踏んだりして脱穀しないといけない。箱脱穀は腕が疲れるけど、脱穀率すばらしい。
トオシに通して、唐箕掛けして、手選別して終了。
お疲れ様でした。
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