キャベツは水で育つ

久し振りに種から育てたキャベツが、しっかり巻いてくれたので、今日はキャベツ記念日。

自然農の畑は肥料を持ち込まないので、結球野菜が育ちにくい。畑を始めた頃は、そう思ってた。でも石黒さんの自然農20数年目の畑では、立派なキャベツや白菜が育っていたので、何年もやっていれば出来るかなと期待だけしていた。

キーラインのキャベツ

キャベツは水で育つということを知った。水が好きなのに、ところが、水の停滞は嫌いだそうで、キーラインのスウェイルに植え付けてみたら大正解だった。水源に近い方から大きく育っている。

適度な水分と酸素が、常に通過していく畝作り。こういう発想が出来たのは、昨夏、木多家族(@simpleliving1744 @nobu27i)が来てくれたお陰。

モンシロチョウが飛び交ってるけど、虫食いは外葉だけ。友達農家のあさひ農園さんに教えて貰った、秋播きの6月採りキャベツ。端境期に、丸々太ったキャベツを食べれるのは、すごく素敵。有り難い。

保水性と排水性のある畑の作り方

種の袋によく、保水性・排水性ともに良い畑で育ててください、と書いてある。そんなの理想論だわ、あり得んわと思ってた。しかし、畝の作り方で、ある程度近づけることが出来ると分かってきた。

スウェイル

1つめは、何度も書いている、スウェイルという技術。

スウェイルの断面図

等高線にそった畝を作り、深い溝に水を吸収させて、畝の地下に貯水する。畑の外に貴重な水を逃さず、同時に畝の排水性は確保する。

詳しくは → 秋の畑

龍の道

2つめは、大地の再生講座で矢野さんが提唱しているという、龍の道。

スウェイルは傾斜地での技術だけど、傾斜がほとんどない畑だってあると思う。私のとこにもある。上流から水が流れ込んでくるというのがスウェイルの仕組みなので、平地の畑ではスウェイルだけではあまり保水力が高まらない。そこで導入したいのが、龍の道。

龍の道は、私の理解では、畝間の溝を直線的にではなく、上下左右に蛇行させるということ。こうすると溝内の土の表面積が増える。表面積が増えると、朝露や雨を地面に吸収しやすくなるし、パーマカルチャーでいうエッジ効果が生まれて堆積物が増え、微生物も増える。堆積物の下の土がほぐされて、さらに水を吸収しやすい土になる。点穴ほど大きな穴でなくても、溝の底が上下にウネっている程度でも良い。

水が土に入っていく過程で、同時に酸素も入っていく。水の動きが、酸素の動きも作り出す。

畝間に炭素資材

3つめは、高畝にして、畝間の溝を炭素資材で埋めるという方法。私の粘土気の強い方の畑では、畝の頂上と、畝間の溝の底との高低差が40~50cm。

畝を高くするとその分排水性がよくなる。排水性が良くなるということは、畝の中に必要な酸素が供給されるということ。畝の中で酸素が必要なのは、野菜だけでなく、好気性醗酵をして有機物を野菜が吸収可能な状態に変化させる菌にも酸素が行き渡る。

しかし、それだけでは、水気の足らないカラカラの土になってしまう。菌も野菜も、酸素と同時に水が欲しい。そこで、有機物マルチ、スウェイル、龍の道、畝間の溝を炭素資材で埋める、ということを併用する。

畝間を埋める際に使える炭素資材は、果樹の剪定枝、竹の枝、炭、笹、割り竹などの、粗雑な水を通しやすいもの。キーラインの溝をオガ屑だけで埋め戻してみたら、オガ屑が腐り始めてしまった。水が停滞するので、酸素が供給されてない状態になっていた。オガ屑を使う場合は、表層水の流れのないところを、注意して選ばないといけない。

粗雑な炭素資材で畝間の溝を埋めるもう一つの利点は、白色糸状菌をはじめとした菌類が、畝間を越えて畑全体に菌糸のネットワークを伸ばすこと。これによって、さらに保水性と排水性が高まり、また土中環境が畑全体で醗酵型に傾く。月刊現代農業あたりでよく出てくる「土ごと醗酵」、炭素循環農業、パーマカルチャーで紹介されることのある「シートコンポスト」、自然農の「亡骸の層」、これらはみんな繋がっている。

カエルの養殖

ガットの池

養殖?いや食べないから、飼育?ガットポンポコだけに、ガット(カエル)の池を作った。

秋に野菜の苗を食べ尽くす勢いのコオロギをどうにかしたくて、カエルを増やすことにした。自然農では草を刈っては敷くのが基本だけど、これってコオロギの巣を作ってることにもなるんだよね。

そこで生物種に多様性を持たせることで、生態系バランスを健全に、ムニャムニャ。あ、それは後付けだった。

とにかくカエルはコオロギを食べてくれる。

去年の秋に池を掘ったとき、繁殖時期ではないのに、池が出来た途端に何10匹ものカエルが住み着いて、ビックリした。あんたら池欲しかったんか。このカエルたち何者だろうと思っていたら、梅雨に入って写真にある白い卵の泡が出来とった。シュレーゲルアオガエルなのか、君たちは。からだ全然緑色してないじゃないか!

多分昨秋からいるカエルはツチガエルで、この春卵を産んだのはシュレーゲルアオガエルなのかな。

ツチガエル?

毎日顔を合わせるので、あんまり逃げなくなってきた。石の下の洞窟から、顔を幾つも出してるとか可愛い。

カモミールの繁殖

カモミールは種を播かなくても、こぼれ種でもよく育つはずなので、これまでいろんな場所でやってみたけど、全滅だった。ご近所に毎年勝手に生えてくる家が2件あるから、気候帯としては、できるはずだけど、訳が分からなかった。

ところが池を作ったら、ついでにカモミールの繁殖に成功した。君ら、水が好きだったのか!

こうなってみて、思い返すと、ご近所のお宅のカモミールは、雨樋から水の滴るところや、周りよりも地面の低いところに生えていたような気がする。気付かんかった。微気象が、こんなにも効いてくる例が、実際にあるんだな。すごい。

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