不耕起・陸苗代・粗植・浅水管理・稲掛干し。稲が伸び伸びと育つ環境を作ることで、お米はフルパワー炸裂になります。

不耕起

一生を終えた草が土の上に次々と積み重なると、微生物や虫などの小さな命に分解され土と混ぜ合わされて舞台となり、その舞台に次の生命が育つ。この舞台を自然農では「亡骸の層」と呼びます。亡骸の層が壊れないように、耕したり、草を根っこから抜いたりはしません。草を刈ってはその場に敷草とし、豊かな亡骸の層を準備します。

陸苗代

自家採取した種籾で育苗をしています。水を張らない陸苗代で育てた太い苗は、本田に定植し水を張ると急激に分蘖をします。不耕起の田んぼでは草に負けないために、この分蘖の勢いが必要なのです。春まだ水が冷たい時期に苗代へ蒔いた種籾が、その年の気温に合わせて自然に発芽してくれたのを見つけると、毎年のことながら涙を流して感謝しています。

粗植

稲は1本の苗が分蘖(ぶんげつ)を繰り替えして、自身の分身を作り出すことで成長します。春に1本で植えた苗が、秋には40本近くに分蘖成長する感動米(かんどううまい)。十分な空間で伸び伸びと育った、味のあるお米が出来上がります。 風で折れたり大雨で流される被害にあっても収穫が得られるように、普通は4~5本の苗を1まとめにして植えるのがよいとされています。耕さない田んぼで育つ稲は1本でも大地にしっかりと根を張り、腰が強く、風に負けず雨に負けない力強いお米が出来ます。

浅水管理

水分を保ちつつ、ため池にはしないことで根っこは常に酸素に触れて呼吸し、元気いっぱいで病気に強い稲が育ちます。その代わり他の草も元気に育つので、草を刈ってその場に敷いていく作業は夏のあいだ延々と続きます。これも健康的で美味しいお米のためと頑張ります。

稲架干し

天日で干したお米はなぜ美味しいのか。昔から行われてきた稲架干しというやり方では、稲を刈り取ったら穂を下に稲架木に掛けて、お日様と風の力でお米を乾燥します。そうしてゆっくりと干すことで、茎に残っている栄養がさらに注がれて旨味の凝縮したお米になります。

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