灰汁(アク)
強アルカリ性の液体。洗剤、漂白剤、また食品のアク抜きに使う。
火傷の薬にもなるそうです。←はっさんにコメントで教えていただきました。
囲炉裏の灰で灰汁(アク)を作る。
作り方.1
- 灰をふるいに掛けて消し炭を漉し取り、純粋に『灰』だけにする。
- ザルに布を敷き灰を満杯に入れる。
- これに熱湯を掛けて漉されて、滴ったものが灰汁。
- はい出来上がり。
黄色の透き通った液体で、ちょっとヌルヌルする感触。原液を素手で触ったら指紋が溶ける。(;゚д゚)。
作り方.2
- 灰をふるいに掛けて消し炭を漉し取り、純粋に『灰』だけにする。
- ボールに灰を入れ、容量比で灰の三倍の熱湯を注ぐ。
- 四、五日静置、上澄みをすくう。
作り方.3
- 灰をふるいに掛けて消し炭を漉し取り、純粋に『灰』だけにする。
- 鍋に灰を入れ、容量比で灰の三倍の水を入れる。
- 火にかけ、沸騰したら自然冷却。
- 濾す。
作り方.2や.3 は複雑な手順なので、よりアルカリ度が高い!かと思いきや、私のところでは作り方.1 の方が良い結果になる。はて? その時々の灰の元になった木の種類にもよるのかもしれない。稲藁や海草を燃やした灰が一番で、木では、ナラ、クヌギ、ツバキなどの堅木が良いという話。
注意!
アルミのボールや鍋は溶けるので避けよう。私は調子こいてアルミのでっかい寸胴鍋で作ったら、泡がブクブク、灰汁の色が黄色にならずなぜか灰色、気づいた際には既に鍋表面を穴だらけにしてしまっていた。ホーローや、土鍋、ステンレスなら大丈夫。
木を燃やした灰に熱湯を注ぐだけでアルミが溶ける。小学校の科学実験を思い出す出来事。溶ける溶ける。(;゚д゚)
アルミニウムとは
両性金属で、酸にもアルカリにも溶解する。
空気中では表面に酸化膜(アルマイト)ができ、内部は侵されにくくなる。
アルカリ性の水溶液では、反応によって水が還元されて水素祖を発生する。ただし、生成する水酸化アルミニウムの溶解度積は小さく、ほとんど水に溶解しない。したがって、薄いアルカリでは皮膜が発生して反応が止まる。
しかし、強アルカリ条件では水酸化アルミニウムが水溶性のアルミン酸を形成するため、反応は表面のみでなく内部まで進行する。
pH測定
強アルカリ性になったかどうか正確に確かめるには、ホームセンターで売っているPH測定器を使うのがいいと思う。
私は大雑把にわかれば良いので、まず触ってみる。先に書いたように、指がヌルヌルして指紋が溶けるようなら目的達成。また灰の素性が分かっているなら舐めてみる。激苦だったら成功。ちなみに酸性のものなら酸っぱい。人間の舌って凄い! (;゚д゚) つまり、人の感覚に理由付けしたものにペーハーとい名前を付けたのかな。
phを上げる(アルカリを強くする)には
- 作った灰汁を使って灰汁を作る。
- 水溶液を煮詰めて水分を飛ばす。
さて、できた灰汁の使い方
- 食器を浸け置きして、汚れが消えたらすすぐ。
- 洗濯機に入れて20分ほど浸しておき、1回すすいで脱水する。
- 灰汁で煮て、すすぐ。
紙を作るときは、木の皮を灰汁で煮ることで、繊維を痛めずに、ペクチンやリグニンといった接着・固化剤を溶かし出すという作業がある。それって、洗濯じゃないか。
生卵(殻から出たやつ)が浮くなら洗剤として十分使えるとか。ま、浸してみて、汚れが取れなかったら灰汁を足せばいいじゃないだろうか。
軍手で実験
洗濯前
洗濯後
農作業で真っ黒になった軍手が、漂白ってほどじゃないけどわりと綺麗になった。
写真の色温度が微妙に違うけど、見た目の印象はこんな感じ。浸け置き20分では汚れが落ちていないようだったので、1晩放置。手で何度もゆすいだ。汚れがひどいからこんなもんかな。と、いうか、土の色に染まった汚れが主だから、ごしごしと洗えば落ちるってことか、これは。
なんでも洗剤使えばいいってもんじゃないね。
洗剤の必要ない汚れの話
お皿の油汚れ
灰汁洗剤が得意なのは油汚れ。
油でベトベトのお皿に!
水と、灰汁を1滴入れて放置。忘れたころに見るとあら不思議。サラサラになってた。これは使えそうな雰囲気。
レンジ回りの油汚れ
霧吹き容器に小分けしておくと、油汚れにピンポイントでシュシュッとできる。
ガスレンジやその回りの壁にシュシュッ。!。 目に見えて油が浮き上がる。凄い!雑巾でサッと拭き取ればピッカピカー('▽')。雑巾もゆすげば汚れ落ちるー。
保存・その他
出来た灰汁は1升瓶などに入れて暗い場所へ。何年たっても腐らないんだとか。
濾されて残った灰は、畑に撒まこう。畑を焼かない焼畑農業やね。
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