今年の田植えが終わった

いつものごとくハプニング続き

自然相手の仕事は思っていたようにはいかないなぁ

漏水

圃場整備が終わったばかりの田んぼは、水漏れし放題だった。畔が漏るレベルじゃなく、田んぼの真ん中からヒビが入ってる。全面に植えるのは諦めて、水が溜まるところだけを田んぼにした。秋に1回耕してちゃんとした田んぼにしないといけないぜ。

生き物

遊休地だった方の田んぼは、トノサマガエルが沢山いて楽しい。ヒメゲンゴロウよりさらに小さいゲンゴロウっぽいのがいる、何だろう。

圃場整備した田んぼは、カエルあんまりいない。イトミミズかユスリカの幼虫のようなのが沢山揺らめいていて、勇気づけられた。

どっちも蛇は沢山いたな。アオダイショウ、シマヘビ、マムシ。捕まえては振り回してはユカに叱られてはして、遊んだ遊んだ。

応援団

今年も沢山の人に助けられた。

この田んぼを終わらせないと帰れないと頑張ってくれた実家の両親

おれはレジャーとして来たからと言いながら運動神経の良さと生真面目さを発揮していってくれた珠洲市内K君

苗代の草取りをずーっと付き合ってくれて、田植えにもフラッと来ては手伝ってくれた珠洲市内Iさん

婆ぁばの味付けで良ければ食べさしよといっては差し入れしてくれる在所のばあちゃん

立ち寄っては声を掛けていってくれる在所のひとたち

私たち夫婦が田んぼを続けられるのには訳がある

ありがとうございました。  

さて、こっからちょっと専門的な話。自分と自然農実践者へのメモ用。

スピードアップ

一昨年の田植えは、6月20日から7月15日の間に、午前だけとかいう日も数えると、24日間で1反を田植え。

今年は2筆で1反2部を6月25日から7月9日の間に、11日間で田植え。

およそ2.6倍の早さ。

わ、おー(;゚д゚)凄いじゃないか。

昨年、富山で自然農をしている石黒さんに通いつめたおかげ。ありがとうございます。

田植えセット

石黒方式+アルファ

上から、ばか棒、竹定規、穴あけ杖、苗取り鍋

以前は苗の1本ずつに粘土団子を付けていたのだが、苗取りの速度をあげるために、土を付けないことにした

土を洗い落として根っこだけにした苗を、小さな穴を開けて植える

なんせ適期に間に合うように早く植える方が先決だどいうのが、一昨年からの学習

竹定規の25cmずつの目印に沿って、穴あけ杖で、穴を開けて植える

穴が小さければ埋め戻すのも早い

4mの畝に4mの竹定規を置いているところ

1列植えたら、40cmのばか棒で測って、次の列に竹定規を置く

以前は作付け紐を畝の長辺に合わせて引いて定規にしていたが、この方がはるかに早いし、短辺に沿って短いリズムで植えて行った方が気が楽だ

発芽率

我が家の主食うるち米のイセヒカリは一昨年の自種を使ったのだけど、発芽率がものすごく悪かった。発芽実験をしてもほとんど起きてこない。稲の発芽条件は、酸素・温度・水分。なにが悪かったのだろうか。

脱酸素袋に保管したので、酸素条件は大丈夫だったはず。密封したので、水分が変化したとも思えない。室温なので温度は悪かった。でも発芽条件は整わないのにおかしいな。なんでだろな。いやまて、保存中に発芽してたわけじゃないぞ、あれ?

と考えて分からず、農業のプロ、実家の父ちゃんに相談すると、そもそも休眠せず自己消費して寿命となったのではないかという話。冬の前に速攻亡くなったってことか。1度冷蔵庫に入れて休眠させてから保存するべきだったかもしれない。

いやそれよりも、種取り分だけでも毎年必ず作付けするべきかな。今回は珠洲市のIさんが種継ぎをしてくれていて、なんとか助かった。ありがとうございます。

苗代

稲の苗代にヒエが多くて困った。ヒエの影に育った稲は細くて元気がない。それでも草取りに何日も掛けて何とか全部抜き取って一安心。

と思ったら、実家の父ちゃんが一目見て、「厚蒔き過ぎる」。父ちゃんの箱苗でさえ、これよりも薄く蒔くらしい。厚蒔き過ぎるせいで、第1葉が枯れているし、5葉期に入っているのにまだ分蘖(ぶんげつ)が始まっていない。自種の発芽率が毎年バラつくから、ある程度厚蒔きしとかないと心配だし、これは難しいな。今年は発芽率がいいなという時は、間引くことも必要かな。鳥害を心配して寒冷紗を掛けたが、外すタイミングが難しかった。発芽したらすぐさま外して苗に光を当てるべきなのだが、バラバラと発芽してくるから、迷ってしまった。ある程度の発芽があったらエイヤッと外しておくべきだった。

イセヒカリの蒔き直しのために遅く作った苗代では、別の学びもあった。同じ田んぼなのに、こっちはヒエがほとんどない。土を厚めにはつったことと、溝の底土を篩ったもの1:籾殻薫炭3で覆土としたことと、寒冷紗を掛けず藁だけにしたこと、根出しをしてから蒔いたこと、時期が遅いことが違い。自然農は表土をとても大切にするから表土をはつるというのにためらいがあったが、草の多いところで苗代を作るときは思い切って5cmくらい削り取らないとだめだってことだ。覆土もその場の土にこだわり過ぎて草の根っこを混じらせるよりは、持ち込んだ方がよい結果になった。薫炭なら間違って籾殻に稲の種が混ざっていて別の品種が発芽する心配もない。根出しをしてから蒔くと発芽までが早いので、鳥害対策になることも知った。

なんにせよ、今年の田植え仕事が終わった。幸せ。

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