農家をしていると籾殻が手に入る。毎年その籾殻を炭に焼いて育苗に使う。籾殻の燻炭焼きというこの仕事、のどかな風景で好きだけど、焼く際に放散する熱量がもったいないといつも思う。
多分先人にも勿体ないと思った人たちがいたのだろう。調理の燃料に籾殻を使い、副産物として籾殻燻炭を得られる仕掛けがいくつかある。日本に古くからあるヌカクド、東南アジアのlo trauなど。
そのうちのひとつ籾殻をパックする方法で調理コンロを試作してみた。
動画をみるとよく燃えてるように思うが、燃え尽きていない籾殻が次々と崩れ落ちていって、燃焼が起きる中央の筒状空間下方にある吸気穴を塞いでしまい、酸素不足になって燻ってしまう。また中央の燃焼筒空間の直径が大きくなり過ぎて、燃焼している箇所が拡散してしまい、熱量不足になり最後まで燃えない。
この燃やし方はソーダストストーブで調べると資料が沢山見つかる。↓こんな仕組み。
リンク先のページを見ると、籾殻と鋸屑の廃棄物を有効利用するために開発されたと記載されているので、私も実験してみた結果が先ほどの動画。最後まで燃えないし、どうも燃え広がり方がおかしい。
本来の燃え方はこう↓
この動画を見ると、最下部に着火したあと、燃焼筒にそって燃え上がるのではなく、最下層が燃え尽きてから順次上層に燃え進み、燃え尽きた最下部は空洞になっているのが分かる。
籾殻はどんなに強く圧縮しても、こんな宙吊り燃焼はしないんじゃないかと思っていたら、Fuel Saving Cookstoves (GTZ, 1984) の Rice hull stoves の章にまさしくそういうことが書いてあった。
パック式籾殻ストーブを燃やす際は細かく砕いた籾殻を使う。昔は挽臼で籾摺りしていたので良かったが、インペラ式のように殻をパカッと割る方式だと、パックしても籾殻が崩れやすく穴に落ちていって詰まってしまう。改善するにはヌカを混ぜるなどする必要があるが、コストが高ついてしまう。
ドラフト型(lo trau)は作るのが大変だが、砕いてない籾殻が使える。
そうなのか。
やっぱりヌカクド↓か
それともlo trau↓を作るかな。
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