ガットポンポコでは、エネルギーの有効利用からも、旬の食べ物が身体に良いことからも、地産地消をするべきだと考えている。だけど、珈琲が好きなので、我が家で買う数少ない海外からの輸入品が、コーヒー生豆。買い物は政治活動だ。コーヒー生豆を買うときは、有機栽培のもので、自然環境に配慮した生産がされ、小規模農家が健全に生活できる手助けになるような仕組みのものを買うようにしている。

焙煎はもちろん、薪で。手作りのロケットストーブで。

コーヒー焙煎に必要なもの

  • 細割の薪
  • ユニオンサンプルロースター
  • 反射式温度計
  • タイマー
  • 火バサミ
  • 冷却用の網
  • うちわ
  • 新聞紙
  • 保存用の瓶
  • キッチンロケットストーブ

キッチンロケットストーブの作り方

ロケットストーブは色々と作ったけど、最初に作った基本のロケットストーブだけが生き残っている。

1段目

1段目は基礎。でもこの前に地面を水平にしとかないといけない。1番手前の煉瓦は半分に切ったもの。

2段目

縦に積んだ煉瓦は、高さが微妙に高すぎるので、少し削る。珪藻土煉瓦なら、平面の出たコンクリなどにこすりつければ、簡単に削れる。

3段目

バーントンネルの天井部分に、耐火レンガを1つ使う。この部分が一番薪に擦れて摩耗するから。薪投入口も、ヒートライザーも、断面の1辺は珪藻土煉瓦の幅と同じ114mm。薪投入口の脇の煉瓦は、だから半分に切ったもの。

4段目

こういう風に余りが出るけど、機能に問題はない。

5段目

最後の段は、耐火煉瓦を4つ使う。ここに珪藻土煉瓦を使ってもいいのだけど、軽過ぎて簡単にズレるので、重石になる耐火煉瓦を使う。珈琲焙煎にだけ使うのなら多少ズレても、すぐに直せばいい。我が家の場合は、このストーブをノブヒェン窯にして、パンやお菓子を焼くのにも使うので、ズレないようにしている。

お試しあれ。

有機栽培のコーヒー生豆が買えるところ

昔と比べると、有機栽培されたコーヒー生豆の買えるところがすごく増えた。10年前は、業務契約しないで買える生豆は、東ティモールだけだったけど、今は何種類もの中から選べる。素晴らしい。

焙煎器

焙煎器を幾つか手作りしてみたけど、最終的にユニオンサンプルロースターを買って使っている。薪の直火焙煎をするなら、パンチング板ではない方のやつが良い。炭で焙煎するなら、パンチング板の方が良い。

この焙煎器は安定して焙煎できるし、コーヒー豆以外に、落花生や大豆の焙煎にも使えるのでいいと思う。そして頑丈。もう10年以上使っているけど、まったく壊れない。

実際の焙煎

いちどに焙煎する生豆の量は300~350グラム。

生豆を投入する前に、焙煎器のドラム表面が全面的に160℃になるまで余熱する。焙煎器の温度は写真のような反射式温度計で計る。

温度の計り方

生豆を投入したら、1秒に1回転くらいの速度で、ドラムを回転し続ける。焙煎器のドラム表面の温度を計りながら、随時薪を追加していく。温度を細かく調節するには、細く割った薪が必要。最初は2本程度から始めて、最後は4~5本の薪で焙煎器の脇から炎が吹き出るくらいに燃やす。

コーヒー焙煎に重要なのは、何分の間に、温度変化を何度から何度で推移させるかということ。私の場合160℃から始めて、320~340℃まで上げる。ドラム内部の温度を計れる焙煎器の場合は、もっと低い温度表示なので、これでは温度が高すぎるように思うだろうが、経験値でこんなものだ。

計ってみて温度が上がりすぎていたら、火バサミで燃えている薪を取り出す。だから、キッチンロケットストーブは、土間に設置するのが良い。野外に設置する場合は、風を防ぐ為の壁が必要。

2ハゼの入り際で止める場合は、生豆を投入してから、仕上がりまでを20分程度にしている。

ハゼのタイミング 呼び名
2ハゼの始まり シティロースト 酸味と苦味のバランスがとても良く、コクのある苦味があります。喫茶店で最も一般的な焙煎度。
2ハゼのピーク フルシティロースト 酸味が少なく、コーヒー独特の香りが強い焙煎度。苦味とコクが出るので、コーヒーの苦味が好きな人におすすめ。
2ハゼの終わり フレンチロースト 苦味がかなり強くコク深い味わいで、酸味はほとんど感じない。カフェオレやウィンナコーヒーなど、アレンジコーヒーに使いやすい焙煎度。

コーヒーの焙煎具合を計るには、ユニオンサンプルロースターに付属のスプーンを使って豆を2~3粒取り出し色を見るやり方と、2ハゼ付近の秒数で計るやり方がある。慣れないうちは、豆の色を見るのが確実だが若干面倒なので、2ハゼの始まりから何秒かという感覚を覚えてしまうと楽だ。

冷却

好みの焙煎度合いに達したらすぐさま冷却する。ぼやっとしてると、火から下ろした後も、どんどん焙煎が進んでしまうので、手が届くところに網とうちわを置いておく。

チャフ(豆の表皮)が飛び散るので、私は焙煎器と網とうちわを外に持ち出している。網に豆を空けたら、網を揺すってチャフを落としながら、うちわで下から扇いで冷却する。

ある程度冷めたら、室内に戻り、豆を広げてさらに冷却する。

保存

焙煎したコーヒー豆の保存で、一番鮮度を保てるのは、冷凍。でも私は出来るだけ電化製品のお世話になりたくないので、ワインボトルにバキュバンをつけて脱気して保存している。毎日コーヒーを飲む人なら、ワインボトル1本のコーヒーが悪くならないうちに、飲んでしまえると思う。気温の高い真夏だと、最後の方はちょっとエグミを感じるかもしれない。

素敵な瓶だと見た目からして美味しい

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