【遺跡の畑】
ジャガイモ
前回の見学会で、ジャガイモは柔らかい土ならば、土寄せをしなくとも勝手にいいところへ根が入っていって実をつける、という話をしていたのに、秋ジャガイモは里芋と同じように土を掘り上げてあった。
土寄せをしたら芋の数が増えるということがあるので、今回試してみているとのことだった。
静岡の高橋さんは最初から深植えにしているがどう思われるか聞いた。乾いている土ならそれでよいが、湿気の強い畝だと腐ってしまう。里芋の半分くらいの土を掘り上げてあるというお話。
元肥
元肥の施肥時期は一ヶ月前でも大丈夫。春から作付けの畝には冬のうちに、秋から作付けの畝には夏のうちに、施しておくのが最良。
畝幅・高さ
湿気を嫌う作物は、湿気が強いと、根を張らない。
ズッキーニ
ズッキーニは完熟したものも食べられる。
珍しい蔓ありのズッキーニ
真ん中の長いのが蔓ありズッキーニ
小豆の乾燥
莢ボリしたものを、まず莢のまま二日間、直射日光で乾燥。莢を割って実をさらに二日間、直射日光で乾燥。いずれも夜間は室内に取り込む。大和盆地では、直射日光でないと、保存に耐えるだけの乾燥ができない。
サツマイモ
このくらいに茂っていれば、蔓を切り取って食用としても、芋の太りに影響がない。
【田んぼ】
水稲
とにかく稲株がみごと。これを見るだけでも今日来た甲斐があった。田んぼ一面全部の株がほんとに見事。私の田んぼでは、分蘖1なんて株もある。なんでこんなに全部全部立派なんだろう。すごい。
ピンク色のものは、外来種ジャンボタニシの卵。捕っても捕っても、翌日にはこうなるので、とらずに様子をみることにしたとのこと。
田面の高低差は2センチ程度。水深は深いところで2センチ。浅いところは亡骸の層に水が含まれている程度。
今年の田植え間隔は、晩生のアケボノ・アサヒで50×50センチ、早生の赤米・黒米・香り米で50×40センチ。
落水は稲刈りの一週間前。小麦をやるなら、半月前には落水するが、川口さんの田んぼでは、モグラや野鼠の被害が出るので、できるだけ直前まで水を入れている。
田植えに苗を植える深さは、約三センチ。
早生の稲は、生育期間が短いので、初期の世話が大切。育苗時の草取り、定植適期の厳守、定植直後の草抑え。
モグラで畔の水漏れがひどい場合は、畔を広くとる。
ゴマ
収穫時期の見極め。莢が下から熟してくるが、1〜2割が黒くなったら収穫する。全部黒くなるまで置いておくと、はぜてしまう。
実に土が混じった場合、唐箕に掛けると、ゴマも飛んでいってしまう。
手箕ならば「ミウケ」できる。ミウケの風の回転は、手前から箕の面に沿って外へ。
土が混じってしまった場合は、水に浮かべて、沈む土と分離する。
川口さんは絶対に土につけないように管理し、米袋の中ではたいて実を落としている。
収穫したら、直射日光で三日間乾燥。夜間は室内に取り込む。
インゲン
種採り用には、七月末に種を下ろし、初期の鞘を残しておく。
私のとこの棚はもっと高い。蔓は登った後、反対側へ降りてくるので、このくらいの棚の高さでいいようだ。
タマネギ
苗代の糸は鳥避け。
雨が続く予報なので、敷草を枯れ草でしている。
種下ろしは九月下。
昨年のタマネギがこれまでになく大きくなったということを、春先にお聞きしていた。
種下ろしの時期にあらためて、タマネギが大きく育った理由を尋ねたところ、「草を盛っておいた肥えているところを苗代にして種を下ろしたんです」とのことだった。
タマネギを大きく育てるには、苗の段階で立派に育てることだと思う。買ってきた立派な苗は、割と大きく育つ。
ナス
最初に根元を誘引したら、その後の枝は誘引しない。枝の誘引をしないナスに新鮮な感動を頂いた。野生美。
風で根元からコロコロと転がったら根っこが痛むので、コロコロしないようにだけする。
地に着いた葉や実が虫に食べられないかとお聞きしたら、「食べられることもあるが、そのことを問題にしない」と仰っていた。川口さんの「問題にしない」は、「問題扱いしない」ということ。人がしなくてもよいことはなるべくしない。
【果樹園の畑】
糞尿
川口さんのところでは糞尿をどうしていますかと尋ねたら、以前専業農家だったころは大事な肥料だったけれど、自然農の田畑に還すと豊になりすぎてかえって害をなすので、現在は業者に回収してもらっているとのことだった。
持ち出した作物の分だけ糞尿を戻さないと、収支バランスが崩れるのではないかという思いがあったが、豊かな亡骸の層が形勢されつづければ、必要ないようだ。
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