目次
【遺跡の畑】
畝の立て方について
畝の高さは、スコップの深さに溝を掘るところから始めて、湿気に応じて高さを変える。幅は1.5m~4mで試し、ふさわしい作物を植え付ける。
掘り上げた粘土がねとねとで崩すのが大変と言うと、一つコツを教えていただいた。晩秋から初冬にかけて掘り上げておいて、冬に凍らせると、ほぐれやすくなる。
小豆
まだ青いまま霜に当たってしまったら、青くても収穫する。莢が青くても豆は食べられる。その場合多少色は薄い。
虫がつくのは養分過多。
【田んぼの畑】
支柱
支柱はいつ撤去するのか尋ねたところ、竹を長年使いたいので、要らなくなったらすぐに片付けるということだった。ナスは初期に株本がコロコロしないように縛るが、その後は枝が水平に地を這うように伸びるに任せる。これだと、支柱が早くにいらなくなる。
タマネギの苗代
タマネギは乾燥を嫌う。晴れた日に草を刈りすぎると乾燥しすぎる。草抑えは雨の後で。
稲の様子
稲が勝ってる。
田の水
川口さんの田んぼは26(?)年間の亡骸の層が分厚く、普通に水を入れると養分過多になり、根が痛んでしまう。水が茶色くなったら養分過多。昨年は水をあまり入れないことで養分過多による根痛みを防ごうとしたが、モグラの害を招いてしまった。今年は茶色くなる前に水を入れ替えて、防いだ。
品種
早生~晩生は、気候に応じて選択する必要がある。
稲架掛け
栽培の手引きを見てもよく分からなかった、稲束の結束の仕方と稲架への架け方を実際に見せていただけた。
稲架干しは一ヶ月間。
稲の束ね方
一握りずつ下から番号順に重ねて置く。
藁を4本ほど手に取り、交差したところに一周させ、藁の末の方は動かさずに元の方を回し、ぎゅっと締める。元を2重に折って、輪のところを、1周させた藁に、差し込む。完全に通してしまうより、元を少し残しておくほうが、抜けなくて良い。
稲架の立て方
太陽の光が両面に当たるように、南北に立てる。これから吹く季節風に倒れないように。地面の湿気から遠ざけるために、干したとき50cm空いているように。
稲架への架け方
図のように一対二、二対一、と交互に架けていく。二の方が地面に垂直に垂れる恰好になる。下の写真参照。そうすると一の方の元が常に外に飛び出る。一束だけだとすごく不安定で、くるんと回って落ちてしまうが、二束架けると、互いに牽制しあって落ちない。二の方の元がまっすぐに上を向いて、互いに密に並ぶと、束と束の間には隙間が無くなり、雨の侵入がなくなる。
大和盆地では写真のような稲架が一般的なようで、近くの別の方の田んぼでも立っていた。支柱をたくさん打ち込まないといけないので、大変そうに思ったけど、慣れればすっと出来るようになっていく、という回答だった。
能登で一般的な多段の稲架は、川口さんにとっては逆に大変そうに感じられる。大規模な水稲栽培や、稲の後に雑穀を干す場合など適しているのでしょうと仰っていた。
排水口
これも栽培の手引きを見てもよく分からなかった排水口の仕組み。
畔がほんのちょっと凹んでいるだけ。
凹んだところには板を挿し込んである。板がないと土が削れていってしまう。目立つ板のさらに排水路側に、もう1枚板が挿してあって、さらに土の流失を防いでいる。
横から見ると、排水口といっても畔とほとんど同じ高さなことが分かる。
田の水漏れ
水を入れて踏んで踏んでやると、砂や石は沈み、表面には微粒子の幕が出来る。
麦
芽が若くても踏んでも大丈夫。麦踏みをする場合は、10cmくらいになったら。かかとのある長靴では麦が千切れてしまうので、藁草履で踏む。
インゲンの種
葉が全部落ちて蔓だけになるまで完熟させておく。
イチゴ
春が収穫の季節。実を太らせる時期はランナーを切る。埋もれてからではやりづらいので、草抑えは、早め早めにするしかない。
【果樹園の畑】
赤蕪
もうちょっと間引いた方が蕪が太るのになと思ったら、葉っぱを食べたいのでこの程度から順次間引いていくという答えだった。それでも最後の方は大きく育つとのこと。
混雑菜
柿と栗の木の下に広がる混雑菜(混ぜこじゃ菜っ葉)のばら蒔き栽培は圧巻!
虫
虫の発生の時期を明らかにして如何にずらすか。早生~晩生の品種でずらす手もある。
心に響いた言葉
売るために、作物を作る、面積を増やす、沢山収穫したいということで田畑に立つと楽しくない。
自然農をしていて一番うれしい時は?という問いに対して
収穫の時はうれしいですねぇ。それから、こうして人に田畑を見ていただくことも、喜びの一つですねぇ。
その他
遺跡の畑は来年から遺跡公園かなにかになるとかで、渡すことになっている。今回で見納めだった。もったいないことやわ。
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