断熱材の性能表記で、R値というものがあるのですが、これ実は2つ存在するという話です。

日本では、以下のように言われています。

熱抵抗 R値(m^2K/W) = 材料の厚さ(m) ÷ 材料の熱伝導率 λ値(W/mk)

これは国際単位系(SI単位系)によるR値です。

しかし、アメリカの文献を読んでいると、「R-value of 1.6 per inch」というような表現に出くわします。これ、同じく R-value と呼んでいるのですが、帝国単位系(Imperial)によるR値になります。以下のように基準となる単位が違います。

熱抵抗 R値 (ft²·°F·hr/BTU) = 材料の厚さ (inches) ÷ 材料の熱伝導率 (BTU·in/hr·ft²·°F)

なので、日本とアメリカの断熱材のR値は、単純に比較できません。以下のように変換する必要があります。

SI R-value per mm = Imperial R-Value per inch ÷ 5.67826 ÷ 25.4

Imperial R-Value per inch = SI R-value per mm x 5.67826 x 25.4

前述の「R-value of 1.6 per inch」というのは、帝国単位のR値なので、係数 5.67826で除して、SI単位のR値に変換します。さらにこれは、1inch つまり 25.4㎜ の材料における R値なので、わかりやすいように 25.4 で除して、1mm 相当にします。

1.6 ÷ 5.67826 ÷ 25.4 = 0.011 R(SI) per ㎜

同じ素材で、厚み 100㎜ の断熱材だとすると、1㎜ の 100倍になるので、SI単位のR値 1.1 になります。

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