地元石川県珠洲市の特産品「珪藻土レンガ」で、女性の憧れ、四つ口のキッチンロケットストーブを試作する。

心臓部を仮組み

昨年で懲りたので、本番のストーブをいきなり作らずに、とりあえず最小単位で燃焼実験。

心臓部(J-TUBE)

BURN CHAMBER、BURN TUNNEL、HEAT RISER からなる J-TUBE を教科書(Rocket Mass Heaters)どおりに組んだ。

で、これが素晴らしく燃える。

余計なことは一切せず、基本通りにシンプルに組んだら最高だった。なんで、この簡単な形が、最高に燃えるのか。それは珪藻土レンガのおかげ。

シンプル イズ パワー

珪藻土レンガ = 耐火断熱レンガ

「耐火」レンガは熱を通す蓄熱素材。もし耐火レンガで J-TUBE を組んだとしたら、その周りをパーライトや軽石といった断熱材で囲うことになる。(蓄熱素材の失敗については前回の記事で)。

珪藻土レンガ(イソライト)は「断熱」素材。熱をあまり通さないので、この他に断熱材を用意する必要がない。なんて便利なんだろう。

ステンレス煙突でロケットストーブを作ると、すぐに溶解して悲しい思いをするけど、これならもう少し耐久性があると思う。

今回の実験で、珪藻土レンガほどロケットストーブに適した素材はないと確信した。軽く、耐火度が高く、断熱性に優れ、積み上げるだけで、理想的なロケットストーブが出来てしまう。

鍋を四つ置く

それでは、お待ちかね。一つの炊き口で鍋を四つ暖める煙道を組んでみる。

調理がしやすいよう煙道の下に、端材で調味料ラック兼鍋置き場を作った。なんかお洒落っぽい。木の上に直置きは恐いので、そのうち上げ底にして耐火性を確保しよう。

写真の左端、4つ目の鍋を置いているのが、最終的な煙の出口。

先日、ロケットストーブ製作マニュアル日本語版を世に送り出した、石岡さんとお話をする機会に恵まれた。今回のロケットストーブは石岡さんのアドバイスに従って、鍋を置くとこは薄い鉄板、もしくは直火を選べるようにしてある。ここに厚い鉄板を使うと鍋に熱が伝わりにくい。また必ず劣化して結局穴が開く。だから鉄板には一斗缶や煙突の切れ端のような既にあるものを再利用した。

燃焼実験

動画を見てもらうと分かるように、目に見える煙が全く出ていない。

煙りやすい皮付きの杉枝と桐の枝を燃やしているのだけど、燃えてるのが分からないほどの排煙しかない。大成功。

キッチンロケットストーブは薪を横から水平に入れる作例もよく見かけるけど、薪を縦に入れた方が燃やしやすいし、煙らないと思う。(→二年目のロケットストーブ炬燵にその辺のことを書いた。)

動画の中で鍋を持ち上げたときに、煙道が真っ黒なのが気になってたんだけど、次の日にふと見ると、おや?煤が焼き切れて綺麗になってる。

なんだろう。薪の種類か、燃やし方か。

バーントンネルの内径

前回の記事では、内部に蓄熱素材を置いて触媒にするということを書いたけど、それも使ってない。そうなると、炊き口からヒートライザーにかけての内径が問題だったのかと思って、もう一度教科書を読むとRocket Mass Heatersの、p.28にそう書いてあった。

The size of cross-sectional areas of all parts of the stove's internal ducts should never decrease below that of C.(注釈: Cはバーントンネル)

二年目のロケットストーブ炬燵という記事で書いたように、バーントンネルが広すぎると、燃えが悪い。つまりバーントンネルの内径はヒートライザーと同程度か、それよりも少し狭いくらいがロケットストーブとしては最適ということ。

まとめ

心臓部のJ-TUBEや煙道を断熱素材の珪藻土レンガで作ると、パーライトのような断熱材を使わずにレンガを積み上げるだけで、クリーンバーンする四つ口のキッチンロケットストーブが出来上がる。

今のところ仮組みで耐震強度がない状態だし、耐火的にも問題がある。鍋を受けるところも、広くしたい。でもとにかく素材の耐久性は高い。そしてなんせ積んだだけの簡単ストーブだから、改造も簡単。この冬改良しながら使ってみよう。ワクワク('▽')

その後の話

珪藻土煉瓦もアサヒキャスターも消耗品です

耐久性に問題があった。耐久性というか耐火性。1年以上毎日の煮炊きで使ったら溶解した。

消耗品と考えて取り替えが効くように作るか、内張りに耐火レンガを使うかしないといけないと思う。

参考

おまけ

せっかくなのでお菓子を焼いた。

酵母でザクザククッキーと、甘柿のタルト。うま〜ヽ(´▽`)ノ

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