珪藻土レンガのキッチンロケットストーブを、毎日の煮炊きで1年間使うという生活実験をした。珪藻土レンガが、ロケットストーブの温度や、鍋の重さにどれだけ耐えられたのか、中を見てみた。

分解と検証

ヒートライザーを取っ払ったところ。ここから、

バーントンネルの天井部を外したら、見事に溶けていた。一部崩落している。

B2の珪藻土レンガが溶けるということは、1000度くらいになっているはずなので、燃焼性能はとてもよかったのだと思う。

さらに分解すると、他にもバーントンネルの、丸で囲った部分が溶けている。ロケットストーブで最も熱くなるのは、私の実験では、バーントンネル内という結果。熾に酸素が吹きつけられた、その周辺という印象。

改良

半年間ほど使った時点で、だいたい今の状況は想像できていたけど、どのくらいもつのか経過をみてきた。表面が多少溶けるくらいでは、燃焼性能に変化は見られないが、崩落が見られるというのは危険なので、溶けた部分を補強することにした。

耐火セメントで、バーントンネルの内壁を別途作った。これを珪藻土レンガで囲むようにして、組み上げる。しかしこれ、耐火セメントが1000度を越える温度で蓄熱してしまうと、結局珪藻土レンガは溶けるのだろうか。

その後の話

珪藻土煉瓦もアサヒキャスターも消耗品です

耐火セメントに守られた珪藻土煉瓦は溶けないけど、耐火セメントが溶けたという記事

軽く使ってみた感じ

今までの珪藻土レンガを積むだけで出来上がるロケットストーブと比べると、レンガを幾つか切り加工しなくてはいけないし、見た目もごてっとしてしまった。なにより、燃焼性能が落ちて、調理火力が落ちたように感じる。耐火セメントが珪藻土レンガに比べて「冷たい」せいなのか。以前は断熱材で囲まれた蓄熱層が触媒になるのではないかと考えていたが、どうも珪藻土煉瓦だけで囲った方が火力が高くなるみたい。

ちなみに、ロケットストーブの原理とは逆になるけど、火元に鍋を近づけるとどうなるだろうかと、ヒートライザーをレンガ1段分短いバージョンも試してみたが、こうすると教科書に書いてあるとおり、引きが悪く燃焼効率が悪く、煙りやすくなった。鍋への火力も特段上がらない。

その後のはなし

鍋穴を3つじゃなくて1つにしたら、ヒートライザー1段下げても引いたし、煙らなかった。

そしてその方が煮炊きへの火力が強かった。一番熱いところにより近いからだと思う。

蓄熱ストーブに使うならもっと高くないと引かないと思う。

 

ついでに調理火力についての記事

薪直火の火力についての考察(熱交換率)

まとめ

  • 基本の J-TUBE は、二次燃焼の装置などなくとも、それだけで燃焼効率のよい形。
  • J-TUBE 内の燃焼部に「蓄熱」素材はなくてもよい。
  • B2珪藻土煉瓦は断熱性能に優れるが、耐火温度が実用的には800度程度までと低いので溶解する。
  • 珪藻土煉瓦は柔らかいので、薪の当たる部分が摩耗してしまった。
  • 長く安全に使うには、強度があり耐火温度がもっと高い別の素材(耐火断熱レンガのB4以上、耐火レンガ)で内壁を保護する必要がある。

地元産の珪藻土レンガで最高のロケットストーブが作れたと思って実験してきたけど、こうなってくると、もっと断熱性能の高い素材を使わないと怖いな。それとも調理用には、完全燃焼はしないけど、昔ながらの竈の方がよいのだろうか。悩ましい。

その後のその後。作った。

新型。薪火で調理するオクド。

参考

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